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らき☆すたとハルヒとWeb2.0

こないだから、らきすた、らきすたとうるさいコロですが、
単に萌えてるだけじゃないと言い訳するために長文を。

らき☆すた」を作っている京都アニメーションは、
少し前に「涼宮ハルヒの憂鬱」を作った制作会社。
ハルヒ同様にネットで熱く話題になっているらきすただけど、
あきらかに意図的にネット戦略を意識して作られている気がする。

成功事例として、ハルヒの話から。

涼宮ハルヒの憂鬱」は、角川スニーカー文庫のライトノベルが原作。
原作が人気だったからアニメ化されたわけだけど、アニメ化で原作も
売り上げを倍以上に伸ばした模様。そこにはアニメの裏側に仕組まれた
上手な戦略があったから。

・・・と書こうとしたけど、どこがどうという詳細は、あちこちでもう
書かれているので、パクリみたいな文しか書けないから、ざっくりと。

ひとことで言えば、「わけがわからない」ように作られてる。
正確に言えば「分かる人にしか分からない」ように作られてる。

ハルヒの第一話、原作を知らない人には意味が分からない。
色んなキャラクターが何の説明もなく出てきて、何やら撮影している。
見たことない人にその状況を説明するのは難しいけど、感じとしては
続きものの話の、途中の1話をいきなり見せられた感じ。
誰これ?何やってるのこれ?みたいな。

実際「続きものの話の、途中の1話をいきなり見せられた」んだけど。

この第一話は、原作中で登場人物たちが学園祭のために作った自主映画の
撮影風景で、それがまるまる何の説明もなしにこの1話になってる。

原作を知ってる人は「あぁ、これは、アレだ!」となるわけだけど、
知らない人は「ナニコレ?」ってなる。(なったもん・・・)

その後2話、3話、4話と、それ以降は、今度は、原作の時間軸を
無視して、話が先へ飛んだり、また戻ったりと振り回される。
いきなり知らないキャラクターが当たり前のようにでてきたり。

ここでも、知ってる人と、知らない人の間に反応の差が生まれる。

すると、どうなるか。

知ってる人は、解説を始める。
知らない人は、検索を始める。

この、知ってる人と知らない人を、Webがつなぐ。

blogやWikiに、「知ってる人」がどんどん書き込む。
「知らない人」はそこを巡り、知識を得、「知ってる人」になる。
また「より知ってる人」になるために、原作を買って読む。

活発な情報交換、情報共有が行われつつ、「知ってる人」つまり、
コアなファンがどんどん生まれてくる。

また、原作を読んで全て解決してしまうと、謎が尽きてしまって
語ることもなくなってしまうので、色んな要素が盛り込まれる。

例えば有名なのが、背景。ハルヒのアニメでは、物語の舞台である
関西の、現実の風景をトレースした背景が用いられた。

地元のファンからまず気づき、カメラを持って「聖地巡礼」に出かけ
写真を公開し、アニメの背景のリアルさを語る。

本当なら、既に放送されたアニメと、後から撮った写真を比較して
Webで人に見せるのは難しいはずだけど、ここでYoutubeも活躍。
キャプチャーした画像と写真の比較だけでなく、後からでも簡単に
放送されたアニメを確認することが出来た。

Youtubeは、さらに活躍する。

ハルヒのエンディングテーマ「ハレ晴レユカイ」は、バックで
登場人物たちがダンスをしているんだけど、このダンスを再現して
Youtubeに公開するファンが続出。この「ハルヒダンス」はネットで
ブームになり、その勢いはネットから飛び出して、ハルヒダンスオフが
ゲリラ的に開催されたりもした。

また単純にYoutubeの存在は、ハルヒが放送されなかった地域に
ハルヒを浸透させることにもなった。

ハルヒの話ばっかりでどんどん長くなっていくので、この辺で
まとめにかかるけど、ハルヒのブームは、ちょっとした仕掛けが
blog、Wiki、Youtube(ニコニコ動画も)などのCGMを上手く刺激して
ヒットした、Web2.0と密接な戦略に基づいたものだった。


さて、ここでやっと「らき☆すた」の話。

らき☆すた」は、美水かがみ原作の4コマ漫画をアニメ化したもの。

オープニングの「もってけ!セーラー服」にダンスがあることから、
ハルヒの二番煎じかよ、と突っ込まれそうな「らき☆すた」だけど、
そのほかはまたちょっと違った切り口で、でも同様の仕掛けが、
上手に仕込まれている。

ハルヒ同様「分かる人にしか分からない」ネタが盛りだくさん。

今度はハルヒと違い、原作を知ってるかどうかではなく、原作を超えて、
主人公中心に、実在するゲームとかアニメとか漫画の話を
これでもかってくらいに連発する。しかも映像も含めて。

これを書いている直近の第3話では、「ウェディングピーチ
ドラゴンクエスト5」「バーチャファイター」「魁!!クロマティ高校
ぱにぽに」「金田一少年の事件簿」「名探偵コナン」と、
覚えているだけでこれだけの作品が登場する。しかもその多くは、
「分かる人にしか分からない」形で。

例えば、ウェディングピーチの話は、親戚の結婚の話から、
「夢がいっぱいフリルいっぱいだねー」云々とはじまる。
その後でデイジーなどキャラクターの名前も出てくるが、
「分かる人」は、「夢がいっぱいフリルいっぱい」が、
ウェディングピーチのアニメ時のオープニングテーマの一節と気づく。

ドラクエ5の話は、結婚相手に「お金持ちのお嬢さんを選ぶか、
幼なじみを選ぶか」というこなたのフリに、かがみが「ビアンカ」と
叫ぶ形で出てくる。「ドラゴンクエスト」の名前は出てこなくても
分かる人には「あぁ、ドラクエ5の話だな」と分かる。

また、登場人物中にも「分からない」側のキャラクターがいて、
「ナニソレ?」といった反応をするので、「分かる人」はそれを見て
ニヤリとし、分からない人はその反応を見てネタに気づき、検索する。

1話、2話もこんな感じで、例えば登場人物がゲームセンターで
「太鼓の達人」をやっているシーンでは、曲が「ハレ晴レユカイ」で。
ちょっと分かる人は「あ、ハルヒのだ」となり、もっと分かる人は
「ハルヒもらきすたも京アニ作品だ」となる。

このマニアックな「元ネタ探し」を煽ることで、バイラルを刺激する。

エンディングテーマもまた、常識破りの煽りが入っていて、
登場人物がカラオケボックスに行ったという設定で、それぞれが
入れて歌う曲が毎回のエンディングとなっている。

1話のエンディング時には「もう3曲も入ってる!」というフリがあり、
1~3話のエンディングはこなたが歌うことが明示されていて、しかも
選曲がマニアックなので、2、3話で何を歌うかを予想させる仕掛けに。

他にもサブキャラの声がみんな立木文彦とか、らっきー☆ちゃんねるとか
細かいネタも盛りだくさんで、まだ3話しか放映されていないのに、
既にネットではかなり盛り上がっている模様。

ハルヒ、らきすた共に、YoutubeでのMADムービーの多さも特徴で、
もちろん著作権法に違反しているわけだけど、どうみても容認、
むしろ、制作者側が煽っている感さえ受ける。盛り上がっていて、
視聴率にも売り上げにも大きく貢献しているので、水を差す必要は
まったくなく、こうなってくると著作権法のあり方の方が疑問視される。


つい長々と書いてしまい、ただでさえお客さんの少ないこのブログで
ここまで読んでる人がいるのかどうか甚だ疑問だけど、向かいの席の
熊ちゃんはきっと読んでくれてると信じて、もう少し続ける。w


ハルヒとらきすたを、Web2.0と繋いで書いてみたけど、結局のところ
根源にあるのは、人の「知りたい欲求」と「知らせたい欲求」で。
特に後者の「知らせたい欲求」を上手に煽っているのが特徴。

読みたての
爆発するソーシャルメディア」(湯川鶴章 ソフトバンク新書)から
言葉を引くと、マルクスが言うには人間は3つの喜びを欲してるらしい。

1.

自分を表現する喜び

2.
自分が作ったものの中にある、自分が表現したい何かを他人が
理解し、評価してくれる喜び

3.
自分の表現を他人が理解、評価してくれる一方で、他人の表現を
理解、評価できる喜び


ここまで読んで共感してくれた人なら、このマルクスが言う
3つ喜びについて大きくうなずいてくれる気がする。

最近のアニメとWeb2.0を繋いで書いたものの、その本質部分は見事に
マルクスが言い表してくれている。

ただその欲求を満たしてくれるツールがここまで進化したことで、
感度の高いマニア層が最先端の実践に及んでいると。

Webがここまででなかった10年ほど前の「エヴァンゲリオン」と
比較して、Webの「あちら側」と「こちら側」での盛り上がり度の
差異なんかも書いてみようと思ってたんだけど、書いてるうちに
夜が明けてきたのでこの辺で。

夜中に、思いつくまま書き散らして、推敲もナシなので、
適当だったり的外れだったり読みにくかったりしてもご容赦を・・・(言い訳)





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2007年04月28日 01:30に投稿されたエントリーのページです。

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